テレビの討論番組や、
ネットでの議論(?)を見ていると、
お互い勝手なことを言い合っていて、
話も噛み合っていないことがよくあります。
民事訴訟の「争点整理」を知ると、
議論がスムーズになりますので、お伝えします。
まず復習ですが、民事訴訟とは、
私人間の紛争解決の手段のことです。
さて、その民事訴訟では、まず「争点整理」をします。
裁判所は、何でもかんでも証拠を調べて判断するのではなく、
「まず争いのポイントはどこか?」を整理します。
例を見ていきましょう。
まずはお互いの主張を整理していきます。
Aさんは、
「お金を貸した。返ってこない、返せ」
と訴えています。
対して、Bさんは、
「受け取ったが借りてない、貰ったのだ」
と主張しているとします。
この場合、「お金を渡した」と言う点は、
双方合意していますので、そのまま採用して進めます。
争いがない部分はそのまま採用し、判断しないのです。
しかし、
Aさんの「貸した」という主張に対して
Bさんは「貰った」と主張しています。
ここは食い違っていますから、
明らかにしていく必要があります。
お互いの主張が食い違う部分のみ、判断していくのです。
その時は当然、証拠が必要になります。
判断には証拠がものを言うのです。
ちなみに今回のケースでメジャーな証拠は、
契約書(借用書)です。
貸したのであれば、通常であれば借用書などがあるはずです。
借用書がないのであれば、
貸したのではなくあげたのではないか?
という話になってきます。
したがって、「貸した」と主張するAさんのほうで、
証拠を示す必要があります。
もし借用書のような書類がないのであれば、
本人の記憶や証人の証言によって、裏付けを進めていきます。
裁判官を納得させられなければ、
Aさんの負けです。
お金は返してもらえません。
と、これが民事訴訟の進め方ですが、
私たちの日常やビジネスにおいても使えるものです。
お互い好き勝手言い合うのではなく、
- まずは言い分を整理して、
- 食い違う部分のみ
- 根拠を示しながら
議論する。
とても生産的かつスマートに話が進むと思いませんか?
活用してみてください。